「(あと数日で)史上最年長棋士」の加藤一二三九段と「史上最年少棋士」の藤井聡太四段の対局が実現しました。

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<将棋>14歳5カ月が白星デビュー 76歳・加藤九段降す (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

ちょっと前にこのような記事を書いてこのニュースを紹介したことがありました。

現役最年長記録をもうすぐ更新する加藤一二三九段は長らく現役最年少記録も持っていたのですが、その記録を60数年ぶりに破った棋士が出てきたという話でした。

しかもその最年少記録を持つ藤井四段のプロデビュー戦がその加藤九段と決まり、まさに「奇跡の対決」と言っても過言ではない対局が今日行われたんだそうです。

14歳2カ月で将棋界の史上最年少棋士となった藤井聡太(そうた)四段(14)は24日、東京都渋谷区の将棋会館で指された加藤一二三(ひふみ)九段(76)との第30期竜王戦6組ランキング戦で公式戦初対局を迎え、110手で初勝利を飾った。14歳5カ月での初勝利は将棋界最年少記録となった。

 藤井四段に破られるまで史上最年少棋士と最年少初勝利の記録を持ち、現役では最年長の加藤九段との対局は年齢差が62歳6カ月で、史上最大年齢差。記録ずくめの対局となった。

 対局は午前10時に開始され、先手番になった加藤九段は長年愛用する矢倉戦に誘導し、藤井四段も受けて立った。中盤で加藤九段が猛攻を開始し、藤井四段が受ける展開になったが、夕食休憩の前から藤井四段が巧みに反撃し、勝利した。

 両者とも盤上に頭を出して体を揺すりながら向き合う対局姿勢で、年齢差を感じさせない勝負だった。

 ◇加藤九段「素晴らしい才能の持ち主」

 対局後、藤井四段は「デビュー戦で加藤先生に教えていただけるのは光栄。竜王や名人をいずれは取りたいが、実力が足りないのでもっともっと強くなりたい」と報道陣に語った。加藤九段は「中盤、藤井四段が受けに回った手が私には指せない手で、大局観が素晴らしい。寄せも速かった。うまく負かされました。素晴らしい才能の持ち主だと思う」とたたえた。途中、加藤九段が「ここで読み切ってたの?」と藤井四段に問いかけると、藤井四段が慌てて首を振る光景も見られた。【山村英樹】

過去には、将棋ライターでも知られていた河口俊彦八段の師匠に当たる小堀清一九段という将棋棋士が、この人は明治生まれ最後の将棋棋士だったんだそうですが、昭和61年(1986年)の順位戦で当時15歳、プロデビューしたての羽生善治四段と対局したことがあったんだそうです。この時、小堀九段は御年74歳。ざっと年齢差が59歳差あったそうなんですが、対局が午前1時まで続き、その後の感想戦を朝まで続けて掃除に来た人に止められるまで終わらなかった、という逸話があったんだそうです。

で、河口八段がその話をエッセイに書いていて、引退間近な年老いた師匠の頑張りを記事にした上で「若い羽生くんも非常に楽しそうに感想戦をつきあってくれていた。羽生くん、本当にありがとう。」と書いてたのが物凄く印象的だったんすよね…。

ちなみに小堀九段は1996年に83歳で亡くなるんですが、この年に羽生さんは七冠完全制覇を達成しているんですね。奇しくもその小堀九段が亡くなった10日ほど後に。

その小堀九段と羽生四段の年齢差を超えたのが、今回の加藤九段と藤井四段でした。14歳と76歳(元日生まれなんであと一週間で77歳になりますし)。年齢差がなんと62歳ですわ。ゆえにこの対決が実現するかどうかは実際は微妙だったんですが(可能性があるとすれば来年度の順位戦という名人戦に繋がる年間リーグ戦の最下位のC級2組で対戦するか否か、だったんですが、ここは50人も棋士がいて対局するのは年間10局だけなんですね)、ある意味で、「将棋の神様っているんだなあ」と思わずにはいられない気持ちになりましたわ…。

で、これサッカーJリーグで言えば、15歳のFC東京の久保建英選手が、来年2月に50歳になる横浜FCのカズこと三浦知良選手と試合で直接対決するようなもんですしね。プロ野球だと、以前は元阪神の辻本賢人選手のように15歳でドラフト指名して入団したっていう選手もいたんですが、彼のような選手が出てきて中日の山本昌投手と対戦するようなもので。いずれにしても年齢差は35歳。

いや、これも親子ほどの差があるんだから凄いんですけど、それにしても思うのは、かつての「最年少記録・最年少プロデビュー記録」を持っていた(というか、谷川浩司・羽生善治・渡辺明の3氏でも記録更新できなかった以上、たぶんこれを破る棋士は今後も出てこないんではないのかとまで言われていた記録を持っていた)加藤九段が、ここまで現役を続けられて、現役最晩年で自分の記録を塗り替える物凄い少年が出てきて、しかも対局までできる…というのは、これ以上にない幸せなんじゃないですかね。

↑凄いマスコミの数ですやん(汗)。でも本当に加藤九段が楽しそう。

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この対戦が「奇跡」である理由とは…。

ま、実のところ、加藤九段、来年度以降の現役続行に関しては「かなり厳しい状況」なんだそうですね。

それは順位戦のC級2組で成績下位20%の棋士につけられる「降級点」が3つ付くと、順位戦の出場資格を失うことになります。で、一部の棋士は「フリークラス宣言」をして、他の棋戦は数年間、65歳になる年度終了までは現役を続けることができるのですが、加藤九段は来年の元日に77歳。そしてC級2組では現時点で降級点を2つつけた状態で、1勝6敗と大きく負け越しているんですね。

ちなみに(以前も書きましたが)現時点で「現役最年長記録」を持っているのは先年亡くなられた、丸田祐三九段の「77歳0ヶ月」なんですが、これは少なくても来年の元日に追いついて、来年の2月1日には記録を更新することになります。おそらく順位戦は3月までなので、少なくても来年3月までは現役で居続けることはできる(他の棋戦に勝ち残ってたりしてまだ対局がある場合は4月以降、それらの対局に負けた時点で引退となります)んで、かつての「史上最年少記録」を作り、それを現役最後の頃に更新されて、最後は「史上最年長記録」を作る、というまさに「空前絶後」と言っても過言ではないような気がしてなりません。なんか、加藤九段から物凄いバトンを手渡されたような感じがして、かなり感慨深い気持ちになりますわ…。

かつて戦前から戦後間もなくの頃に大名人と呼ばれた木村義雄十四世名人は、後の戦後の大名人(十五世名人)となる当時新進気鋭の大山康晴八段に名人戦で敗れ、「良き後継者を得た」とその対局を最後に現役引退をした逸話がありました。また、大山康晴名人の兄弟子であり終生の好敵手となった升田幸三名人はあまりお弟子さんを取らなかったんですが(ちなみにその升田名人の数少ない弟子の一人が近年、株主優待券を使いこなす個人投資家で有名となった桐谷広人七段だったりするのですが(苦笑))、そんな師弟の関係を超えて加藤一二三九段を物凄くかわいがってたそうで、「一二三は俺の後継者のようなものだ」と言っていたこともあったんだそうです。実際に加藤九段の仲人もされてたそうで。

それを思うと、おそらく藤井四段はここまで凄い才能の持ち主ですし、何年かしたらよほどのことがない限りタイトル戦にも出てくるでしょうし、羽生三冠や渡辺竜王に差し迫るような凄い棋士にはなると思うのですが、願わくば、加藤九段がお元気なうちに(いやたぶんあの方はずっとお元気だと思いますけどね(笑))、物凄い大きなタイトル戦に出て、お弟子さんを取らなかった加藤九段が「彼は私の後継者のようなものです」と笑顔で言えるように頑張って欲しいですねー。

いずれにしても、加藤九段も藤井四段もよくぞ「間に合って」くれた。ここらへんの将棋の神様の粋なはからいに感謝感謝。

一二三の玉手箱

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