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「人生、成り行き」

贔屓の千葉ロッテ・ヴァンフォーレ甲府を中心に、四方山話を書いている雑記ブログです。あとさだまさしとかも。

人生、成り行き

「江戸しぐさよさらば」

ツッコミ 雑談

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「江戸しぐさ」はやめましょう。:何が問題か。なぜ広がったか。(碓井真史) - 個人 - Yahoo!ニュース

うちのブログでも何度か取り上げたことがある「江戸しぐさ」なる「江戸の町民たちが行っていた、日常生活のマナー」を指すことば、の話の続きですね。

今じゃ一部の人たち以外は「そんなもん聞いたことがねえ」で一笑に付している始末で、「このまま"怪しい単語ほど選ばれる"でおなじみの年末のユーキャンの新語流行語大賞に選ばれねえかなあ」と期待までしている今日この頃ではありますが(をい)

1.きっかけは立川談四楼師匠のツイートだった(苦笑)。

私が知るきっかけになったのは↓

raity.hateblo.jp

たまたまツイッターで毎度拝見させてもらってる落語家の立川談四楼師匠のこのツイートだったんすよね。

常に江戸時代から明治・大正期のストーリーを展開している"古典落語"の使い手の談四楼師匠をして「そんな言葉聞いたことねえよ。胡散臭いな」と言わしめたってのに「へえ、そんな言葉があるのか」と知ったのが最初でしたね。確かにもう亡くなられましたが、杉浦日向子先生からも「コメディ・お江戸でござる」で江戸時代の習慣や風俗などを解説されていた時も、毎週のように見てましたが、その「江戸しぐさ」の言葉は一度も出なかったですしね。

2.そしたら胡散臭い「料理をしない自称・料理研究家」が大賛同しはじめてw

そしたら、

raity.hateblo.jp

「料理をしない料理研究家」という人がこの「江戸しぐさ」を大絶賛する事態に。あげくに、

『江戸しぐさ』について検索した方は
お気づきかと思いますが
数々の批評が飛び交っております
土岐山はもちろん関連の本を読みました
もちろん、インターネットに出る限りの意見も全て読みました
読んだ上で思うんです

「その歴史的検証とか、細かすぎる分析って、なんか意味あんの?」

って

 と、のたまう始末に。「んな綾瀬はるかが出てた安っぽい大河ドラマじゃねえんだから」と画面を指差して爆笑しちゃった私でしたね…懐かしい(爆)

これで「あー、胡散臭い説にいかにも胡散臭い奴が飛びついたわ」と大失笑しまして、私は今日の「断腸亭日常で」、

raity.hateblo.jp

f:id:tony_togo:20150626152959j:plain

と書いた次第で。

3.「江戸っ子大虐殺」って何だ? 

で、改めて思うに、リンク先の記事のこの一行が「全てを物語ってる」わけですよ。

6月25日のTBSテレビ「NEWS23」でも話題になっていました。歴史の研究家らにインタビューして、江戸しぐさの矛盾点を指摘していました。偽史についての本を書かれている原田実先生も、江戸しぐさの問題を語っています。

原田先生は、関連本も出されています。『江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書) 』

江戸しぐさに関する歴史的資料は何もありません。なぜ何もないかといえば、「江戸っ子代大虐殺」があって資料が全て焼き払われ失われたと、NPO法人「江戸しぐさ」理事長 越川禮子さんは説明します。資料は失われたけれども、口頭による伝承だと説明します。

歴史学者によれば、そんな虐殺が行われた証拠は何もありません。番組としては、江戸しぐさに関して「疑問がある」という少し大人しいスタンスでしたが。

 「資料が無い→無いには何か理由があるハズだ→江戸っ子大虐殺があったから」という理論構成(?)なんすね。

いやあこれ、どこかで聞いたことある展開だなーで思い出したのが、昔、何かの本を読んでたら書いてあったんですが、「なんで朝鮮には日本のように古典文学が殆ど残されていないのですか?→秀吉の朝鮮出兵の時に全て燃やされてしまったからだと思います」の、あっちの国の歴史学者の人たちの言い方と同じ、なんすね。ええ。で、この時の話のオチとしては「だから万葉集は朝鮮語でも読めるんです」と。「あー、眉唾だ」とその時に思った自分は確かまだ二十歳になってなかったっすねえ、その頃。

4.江戸時代ぢゃ住民全員殺戮も、情報統制も、資料を全部「消す」のも無理。

まあいかにも眉唾モノなので説明するのもおっくうですし、リンク先の記事を参照するにとどめてほしいんですが、「虐殺したところで、その時代のその国の人間を一人残さず全員ぶち殺さない限り、資料や伝統は消えない」と思うんですよね。それに江戸にいる住民全員をぶち殺しても、何かがきっかけでその「虐殺事件」の時にたまたま地方に引っ越したり旅をしてて「助かった」人間は少なからずいるでしょうしね。その時代の関係者および証言者を全員殺す、というのは無理だし不可能ですしね。 

「記録」といえば、例えば北海道のアイヌの人たちは文字がなかったそうで、後年、アイヌの伝統を復興させる際に物凄く助かったのは、本州から来てた探検家がメモして残っていた記事だった…というの話はこないだNHKの歴史番組でやってましたが、それは別にしても、よしんば虐殺しても「その時代の文化」の隠ぺいは無理ですしね。本を全部焼却しても、生き残った人間の「口述」とか「口伝」とか、それこそ「昔の事をよく知っている古老が、それを小言のように語り継いでいく」文化があったわけで。だから「本当に普及した言葉であれば、もっと世間により浸透して"知られている"言葉になってるだろう」と。それが「殆どない」ってことは、まあ「ウソ」なんでしょう?という事なんすけどね。

5.「古典落語」の使い手の落語家の人たちが「聞いたことない」と(爆)

それで最初の談四楼師匠のツイートに戻るわけですが、その古老の方々(←たぶん一人ではないでしょう)をしても「江戸しぐさ」という言葉は口にしなかった。そもそもそんな言葉はなかった、という時点で、かなり説得力は大きいんですよね。特にリアルタイムに常に古典落語を「扱う」落語家の世界でそうなんですから。というか、「江戸の町民が行っていたマナー」やらは、例えば江戸時代に「江戸」と呼ばれていた日本橋や本所深川、浅草などでは「あった」のに、今は東京23区のカテゴリーに入ってるけど、昔は単なる田舎だった渋谷や江戸川、大田(大森+蒲田)、練馬の方では「なかった」という証拠もありませんしね。

そういう意味では「うさんくさい」し「詰めが甘いなあ」と、つくづく思うわけですな。

6.日本人はこういう話には弱いですよね。「自称・道徳」みたいな話に(笑) 

で、個人的には「そういうマナー」が一部ではあったんだよ、というのは子供とかに教えるのはやぶさかではないんですが、「ありもしない歴史をあたかも本当にあったかのように」教える態度はダメだな、というとこですね。その上で「うさんくさい」し。

それこそ震災後の「絆ビジネス」みたいに、「自分は正義の事をやってるんです(キリッ)」みたいな顔して、その実、インチキしかやってねえ、みたいな。そこらへんの襟を正さずに「正しいモノは正しんだもん。歴史的検証なんか必要ないもん。STAP細胞はあるもん(意味不明)」みたいな事を言うから、「あー、やはり胡散臭い、インチキくさいんだ」と思われるんすよね。日本人って「いいひと。」が多いんで、こういう「自称・道徳」みたいな話には弱い人が多いですから。 

 ま、とりあえず都市伝説や陰謀論には振り回されないようにしましょうね。というリンク先の記事の結論と同じになってしまうんですが、そういう事、なんでしょうね。

追伸

で、この記事のタイトル。なかなかいいのがなかったんで、それこそ前回取り上げた「ホッテントリメーカー」先生に頼りまして(をい)。結果、無難な4番目を採用、と。

f:id:tony_togo:20150626160644j:plain

いやあ個人的には、「江戸しぐさだとか騒いでるのは一部の童貞だけ」にしたかったんだけどなー(直後暗殺さる)

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↑いかにも怪しいなあ「新潟江戸しぐさ研究会」って。「成田さだまさし研究会」なみに(をい) 

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